◆自然科学系農学部門の井原賢准教授らの研究成果が「Water Research」誌に掲載されました

2024年3月18日

膜分離活性汚泥法(MBR)による下水中のウイルスの除去を調査

―MBRが通常の標準活性汚泥法に比べて高いウイルス除去を示すことを解明―

 

 自然科学系農学部門の井原賢准教授を責任著者とする研究グループの研究成果が、2024年2月10日付けで「Water Research」誌に掲載されました。

 膜分離活性汚泥法(MBR)は、従来の標準活性汚泥法(CAS)よりも優れた下水処理能力を示しますが、どれくらいのウイルス除去性能を示すのかについてはこれまで調べられていませんでした。

 これを明らかにするため、井原准教授と京都大学の研究グループは、国内の2つの下水処理場においてMBRおよびCAS処理の前後のウイルス濃度を2年間にわたって調査しました。調査では、下水中のノロウイルスGI(NoV GI)、GII(NoV GII)、アイチウイルス(AiV)、F特異的RNAファージ遺伝子型I、II、III (GI-、GII-、GIII-FRNAPH)、およびペッパーマイルドモットルウイルス (PMMoV)の遺伝子量を、定量的PCR(qPCR)法によって測定しました。その結果、処理前後のウイルス濃度の平均値に基づくすべてのウイルスの除去率は、CASよりもMBRの方が一貫して高いことが示されました。

 この研究成果は、CASよりもMBRの方がウイルス除去効率が高いことを長期間のモニタリングに基づいて示した貴重な成果です。

 

【論文情報】

 論文タイトル:Evaluation of virus removal in membrane bioreactor (MBR) and conventional activated sludge (CAS) processes based on long-term monitoring at two wastewater treatment plants

 著者:Yu Tang, Kenta Sasaki, Masaru Ihara, Daichi Sugita, Naoyuki Yamashita, Haruka Takeuchi, Hiroaki Tanaka

 雑誌名:Water Research, volume 253, 121197 (2024)

 URL:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0043135424000976?via%3Dihub

 

●このページについてのお問合せは...

お問合せフォームへ

掲載されている内容について、不明点や疑問に感じたことなどございましたらお気軽にお問合せください。

インフォメーション

インフォメーション
AED設置場所